今週のお題「チョコミント」なんですよ。
以前に書いた戯言だけれど…
もう一度引っ張ってきました。
内容は変わっていませんが、kirinの雑感という事で…
kirinはおしゃべりが大好きです。
それは高校一年生以降。
一度目に人生観が音を立てて崩れ去った時です。
高校一年生の時に何があったのか?
実は夏休みを利用して、イギリスへホームステイに行ったのです。
初めての海外!初めての一人旅!
書きたい事は山盛りありますが、とりあえず、その語学学校での話。
kirinが入った語学学校の先生は全員オックスフォード大学の学生でした。そして生徒達は年齢12歳から15歳限定。その語学学校でイギリス英語の発音を身に付けるのが目的のようでした。
kirinはギリギリの15歳。
でもね、お恥ずかしい話なのですが、英語の成績は悪く(たぶん、2歳児レベル)、しかも日本の英語はアメリカ英語!イギリス英語が全く聞こえないのです。つまりは発音の矯正などというレベルではありません。
おかげでかなり無口な生徒でした。
だって先生の言葉が聞き取れないのですから。でも、捨てる神あれば拾う神あり的に素晴らしい先生にも出逢えたのですが、それはまた別のお話。
ホームステイ先には三人の女の子がいました。
先ずはインガさん。アイスランド人。透き通るようなエメラルドがかった青色の瞳、髪は金髪、スタイルはモデルさんのよう。
彼女は語学学校のマドンナであり、kirinと同部屋の15歳。
そしてマーガレットさん、15歳。スペイン人で見た目はお母さんみたい。実際、彼女は初対面の挨拶以来、kirinのお母さんのような存在になりました。kirinのことを時々、赤ちゃん(baby)って呼ぶこともあり…。
最後は中国人とフランス人のダブルのミシェルさん。薄茶色の瞳、髪も薄茶色。彼女は少し東洋を感じさせる美人。でもね、彼女はレズビアンで、kirinをいたく気に入ったご様子!初対面の挨拶の後、彼女とは二人きりにならないようにインガとマーガレットが守ってくれていました。
ま、それもまた別のお話。
といった感じで、前途多難な語学学校での生活が始まりました。
kirinはマーガレットと一緒に行動することが多く、彼女のスペイン人4人のグループに入れてもらいました。
二人はとびっきりの美少女。もう一人はマーガレットと同じく優しいお母さんみたい。
更にスペイン語訛りの英語はイギリス英語よりも聞き取り易くラッキーでした。しかも、スペイン人は皆んな優しさが半端ないのです。
それはカトリックの信者さんが多く、弱者に対する施しが徹底しているからだそうです。
だからかな?東の端っこから来た英語もロクに話せないkirinに皆んな本当に親切でした。
で、学校が終わるといつも5人一緒に遊びに行きます。
その日もいつもの5人でアイスクリーム屋さんへ。
アイスクリーム屋さんのショーケースには色とりどりのアイスクリームが並んでいます。皆んなで、あれがいいとか、それはどうだろうとか。
で、順番に好きなのを頼むことに。
一番に美少女の一人がチョコミントを選択しました。
kirinは順番的に二番目だったので、あまり深く考えずに『私も』と言ったのです。
皆んなそれぞれに注文したアイスクリームを片手にアイスクリーム屋さんを出て外へ。
だけど、何だか皆んな怒っているのです。
kirinには訳が判りません。でも怒ってるのは伝わってきます。
さっきまでの楽しい雰囲気が嘘みたい。kirinがオロオロしていると、マーガレットが質問してきました。
何故『私も』って言ったの?と。
つまり美少女と同じチョコミントを選択したのは何故なのか?と。
kirinはびっくりしました。
だって日本ではよくある話じゃないですか?先に注文した人と同じモノを注文するのって。
でもね、皆んな怒っているのです。
この答え一つで、何かが起こる?
kirinは自分が何気に言ったのは何故か考えました。
そして説明したのです。
先ず日本のチョコミントより色が鮮やかで、美味しそうに見えたこと。
入っているチョコも大きくてお得な感じがしたこと。
だから、つい『私も』って言ったのだ。と拙い英語で説明しました。
そうしたら、皆んな納得してくれたみたいで、日本のチョコミントのチョコは小さいの?とか質問してきて、まるで何もなかったかのよう。とりあえず良かったけれど、納得はいきません。皆んなに何故怒っていたのか質問してみました。
理由は簡単!
後で皆んなで食べる時、5種類の味を楽しみたかったのに、kirinが同じモノを注文したから、4種類になったと言うのです。
なるほど…次からは気をつけると言うと、納得してくれたみたい。
でもね、マーガレットが言ったのです。
『私も』って言うのは二度と使わない方がいいと。
理由も説明してくれました。
『私も』って言うのは、自分の意見が無い、頭の悪い人が使う言葉だと。
だから、『私も』って言っていると、今ある友達を無くす事になるよ。誰も頭の悪い人とは友達でいたくないでしょう?と。
正直、驚きました。
でも納得したのも事実です。
更にいつまでも皆んなと友達でいたかったので、絶対に言うまいと誓ったのです。
自分の目でモノを見て、自分の頭で考えて行動すること!
たとえアイスクリーム一つでも。
この事件によってkirinの人生観は音を立てて崩れ去りました。
ま、タカダカ15歳の人生観なので、大したモノでは無かったのですが…。
以来、常に自分に何故?と、あなたは何故?とこの二つを同時に考えながら生きていくことにしたのです。
で、自分に何故?と問うのは喋らなくても可能です。
だけど相手に何故なのか?と問うのは喋らなくては不可能です。
だからおしゃべりが好きにもなりました。
以心伝心は無いとは言わないですが、文化圏が違うと不可能です。
目は口ほどに物を言いますが、本音は判りません。
何だかおしゃべりの擁護をしているだけのようにも聞こえますね〜。
説明するのって難しいです。
でもね、kirin的には結構大切な事だと思っています。
日本人は意見を擦り合わせるのが上手。だから以心伝心とか、阿吽の呼吸とか空気を読むとかを死ぬほど大事にします。
それに対して大陸の人は意見の相違が当たり前。相違を前提に何故そのように感じ考えるのか?という部分を大事にします。
しかも、意見の相違があっても、そのプロセスを理解できれば親友にもなれるのです。
15歳のkirinに鮮明に刻み込まれた記憶です。ただし、日本の高校でコレをやったら、かなりな変人扱いでしたけど…(苦笑プラス遠い目)
日本では今もって、この考えや生き方が障害になる事も多いです。
チョコミントの想い出…
アイスクリームだったし、甘いハズなんだけなぁ〜。